楽譜の読み方
速度記号の一覧
曲のはじめに書かれたイタリア語は、どのくらいの速さで弾くかを表しています。アダージョ、アンダンテ、アレグロ。それぞれの意味と、BPMの目安、そして同じ曲を各テンポで聴き比べられます。
速度記号を遅い順に
▶を押すと、それぞれの範囲の真ん中のテンポで「喜びの歌」が鳴ります。記号名から、くわしいページへ。
| 速度記号 | BPM | 意味 | 聴く |
|---|---|---|---|
| Grave グラーヴェ | 20–40 BPM | もっとも遅い速度記号のひとつ | |
| Largo ラルゴ | 40–60 BPM | とても遅く、ゆったりと幅広く | |
| Lento レント | 40–60 BPM | 遅く | |
| Larghetto ラルゲット | 60–66 BPM | ラルゴより少し速く、軽やかに | |
| Adagio アダージョ | 66–76 BPM | ゆるやかに、表情豊かに | |
| Andante アンダンテ | 76–108 BPM | 歩くような速さ | |
| Andantino アンダンティーノ | 80–108 BPM | アンダンテより少し軽く、たいていは少し速く(18世紀には遅めの意味で使う人もいた、いちばんあいまいな記号のひとつ) | |
| Moderato モデラート | 108–120 BPM | 中くらいの速さで | |
| Allegretto アレグレット | 112–120 BPM | やや速く、軽やかに | |
| Allegro アレグロ | 120–156 BPM | 速く、明るく | |
| Vivace ヴィヴァーチェ | 156–176 BPM | 生き生きと速く | |
| Presto プレスト | 176–200 BPM | とても速く | |
| Prestissimo プレスティッシモ | 200+ BPM | いちばん速い速度記号 |
数字は現代の一般的な目安で、本やメトロノームの目盛りによって数拍ずつ違います。メルツェルのメトロノーム(1815年)が生まれる前は、作曲家にはこの言葉しかありませんでした。だから速さと同時に性格も表しています。アレグロは「陽気に」、アンダンテは「歩くように」、アダージョは「くつろいで」。
速さを変える言葉
テンポそのものではなく、テンポを曲げる言葉もあります。聴いてみましょう。
| 言葉 | 書き方 | 意味 | 聴く |
|---|---|---|---|
| Ritardando リタルダンド | rit.、ritard. | だんだん遅く | |
| Accelerando アッチェレランド | accel. | だんだん速く | |
| Rubato ルバート | rubato、tempo rubato | 「盗まれた」時間。テンポを揺らして取り戻す | |
| A tempo ア・テンポ | a tempo | もとの速さに戻る |
組み合わせる言葉
速度記号には、よく次のような言葉が添えられます。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| molto | モルト | 非常に |
| assai | アッサイ | 非常に(古い曲では「かなり」の意味も) |
| poco | ポコ | 少し |
| poco a poco | ポコ・ア・ポコ | 少しずつ |
| più | ピウ | もっと |
| meno | メノ | より少なく |
| ma non troppo | マ・ノン・トロッポ | しかし、はなはだしくなく |
| con moto | コン・モート | 動きをもって |
| con brio | コン・ブリオ | 活気をもって |
| sostenuto | ソステヌート | 音を保って |
| cantabile | カンタービレ | 歌うように |
| mosso | モッソ | 動いて、活発に(più mossoは速く、meno mossoは遅く) |
| tempo di valse | テンポ・ディ・ヴァルス | ワルツの速さで |
| tempo di marcia | テンポ・ディ・マルチャ | 行進曲の速さで |
つまりAllegro ma non troppoは「速く、しかし速すぎずに」、poco più mossoは「少し速く」、Andante con motoは「歩く速さで、動きをもって」。
メトロノーム記号
楽譜には数字が書かれていることもあります。♩ = 120は、4分音符を1分間に120回。古い楽譜ではM.M. ♩ = 120(M.M.はメルツェルのメトロノーム)とも書きます。言葉と数字の両方があれば、数字が速さ、言葉が性格です。数字はメトロノームに、録音のテンポはタップテンポで測れます。
テンポを保ったまま、ちゃんと弾けている? Ivoryはあなたの演奏を聴いて、どこがずれているかを教えてくれるピアノの先生アプリです。抜けた音、遅れて入る手、そろわない和音。気づいたことを伝えたうえで、正しい弾き方を実際に聴かせてくれます。
よくある質問
速度記号を遅い順に並べると?
Grave(グラーヴェ、20–40 BPM)、Largo(ラルゴ、40–60 BPM)、Lento(レント、40–60 BPM)、Larghetto(ラルゲット、60–66 BPM)、Adagio(アダージョ、66–76 BPM)、Andante(アンダンテ、76–108 BPM)、Andantino(アンダンティーノ、80–108 BPM)、Moderato(モデラート、108–120 BPM)、Allegretto(アレグレット、112–120 BPM)、Allegro(アレグロ、120–156 BPM)、Vivace(ヴィヴァーチェ、156–176 BPM)、Presto(プレスト、176–200 BPM)、Prestissimo(プレスティッシモ、200+ BPM)。
アレグロはBPMいくつ?
おおよそ120〜156です。歩く速さのアンダンテは76〜108、アダージョは66〜76、プレストは176〜200くらい。
速度記号はなぜイタリア語?
17〜18世紀、ヨーロッパの音楽をリードしていたイタリアの作曲家たちの言葉が、楽譜とともに広まったからです。サティやドビュッシーはフランス語で、ベートーヴェンやシューマンはときにドイツ語で書いています。
アンダンテは速い?遅い?
その中間、歩くような速さです。おおよそ76〜108。アンダンティーノはたいてい少し速めです。
いちばん遅い速度記号は?
グラーヴェ(およそ40未満)、次にラルゴとレントです。いちばん速いのはプレスティッシモ。
rit.やaccel.の意味は?
rit.(リタルダンド)はだんだん遅く、accel.(アッチェレランド)はだんだん速く、a tempo(ア・テンポ)はもとの速さに戻る、という意味です。